「システムは魔法ではない。」 システム刷新を業務変革のきっかけに
導入サービス
Post@net(ポスタネット)を導入。
導入前の課題点
京都産業大学の大学院入試は、一般的な大学の学部入試とは少し事情が異なる。
社会人入試、外国人留学生入試、研究科ごとに異なる制度、そして事前資格審査。
年間を通じて複数の入試が行われるなか、学部入試と比べ限られた人数で幅広い業務を担わなければならない。
システム化が遅れていたことも重なり、その現場を支えていたのは紙と手作業だった。
志願者情報は、一件ずつ学内システムへ入力。
入金確認は経理部門との連携を経て実施。
受験票は作成後に印刷・郵送を行う。
入力、確認、転記、発送。
ひとつひとつは小さな作業だが、それらが積み重なることで業務は複雑化していく。
さらに、大学院ならではの課題もあった。
社会人は平日日中に金融機関へ行く時間を確保しづらい。
海外から出願する留学生は送金に時間と手数料がかかる。
「現在のやり方でも運用はできている」
そう思う一方で、このままでは将来に向けて、大学院活性化や志願者増加への対応は難しい。
紙中心の運用から脱却し、大学院入試そのものを次のステージへ進める必要性を感じていた。
導入して変わったこと・実際の感想
Post@net導入後、最初に変わったのは「見える景色」だった。
これまで紙を見ながら入力していた志願者情報はデータとして活用できるようになり、入金状況も把握しやすくなった。
また郵送作業や未着対応も大きく減少した。
しかし、京都産業大学が感じている価値は、単なる効率化だけではない。
Webエントリーが始まったことで、志願者の動きを早い段階で把握できるようになり、関係部署との調整や試験準備にも余裕が生まれた。
「出願が終わってから動く」のではなく、「出願の動きを見ながら先回りして準備する」。
ようやく、変化の第一歩を踏み出した。
そう、システム導入によってすべてが解決したわけではない。
大学院入試特有の運用をどう落とし込むか。
電子化した後の業務フローをどう設計するか。
むしろ導入後に考えることが出てきた。
改めて意識したのは、「システムを入れることが目的ではない」ということだ。
紙の業務をデジタルに置き換えるだけではDXにはならない。
データをどう活用するのか。
仕事の流れをどう変えるのか。
限られた人員で、どこまで価値ある仕事に時間を使えるようになるのか。
その答えを探しながら次のステージに向かって歩みを続けている。
数あるシステムの中から選定したその理由とは。
- 大学院入試のデジタル化を検討された背景を教えてください。
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大学院担当部門では、大学院入試だけでなく、教務、広報、教員人事など、大学院に関する幅広い業務を担当しています。
一方で、従来の大学院入試は紙による手続きが中心でした。
出願書類に記載された志願者情報を学内システムへ入力し、経理部門から届く入金情報を確認して転記し、受験票を作成して郵送する。
職員がひとつひとつ処理することで運用していました。
志願者数だけを見ると、学部入試ほど大きな規模ではありません。
そのため、「現在の人数で対応できているのであれば、このままでもよいのではないか」という考え方もあります。
しかし、大学院入試には研究科ごとに異なる入試制度があり、社会人や外国人留学生、事前資格審査が必要な方など、多様な志願者に対応しなければなりません。
むしろ学部入試と制度や種類は同等であり、規模は小さいながらも、その業務は複雑となっています。
また、科学技術振興機構から「次世代研究者挑戦的プログラム(SPRING)」の採択を受けるなど、大学院拡充への機運の高まりを踏まえると、人を増やすことだけで対応するのは現実的ではありません。
年々増加する志願者がさらに増えてから慌てて仕組みを変えるのではなく、将来を見据え、今のうちから業務を支える基盤を整えておく必要があると感じました。
- Post@netを選ばれた決め手は何でしたか。
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最初に検討した他社サービスは、大学院入試の規模に対してシステムの規模及び費用が非常に高く、導入を断念せざるを得ませんでした。
大学院の志願者規模に合った費用であることは、学内で理解を得るためにも重要でした。その点で、Post@netは現実的な選択肢でした。
決済機能がシステムに含まれていることや、大学院入試の特殊な運用について相談しながら構築できることも大きかったです。
特に、事前資格審査のような大学院独自の仕組みについては、標準的な学部入試とは異なる設定が必要です。
私たちが求める仕様となるよう何度も相談し、サポート担当者に丁寧に対応していただきました。
コストだけではなく、本学の運用を理解し、一緒に方法を考えてもらえることが、最終的な決め手になりました。
- セキュリティ対策について、どのように評価されましたか?
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入試情報には、志願者の氏名や住所、連絡先だけでなく、最終学歴や成績証明書など、非常にセンシティブな個人情報が含まれています。
そのため、新しいシステムを導入する際に、私たちが確認したのは機能やコストだけではありませんでした。
むしろ学内で説明する際には、
「本当に安心して委託できるのか」
という点が非常に重要でした。
実際、デジタル化やDXという話になると、便利になる一方で情報漏えいのリスクを心配する声は必ず出てきます。
その点、Post@netはデータセンターの冗長構成やバックアップ体制、通信の暗号化、アクセス制御、不正アクセス対策など、セキュリティに関する考え方や取り組みが明確に示されていました。
また、単に「安全です」と説明するのではなく、どういった仕組みでデータが保護されているのか、障害時にはどのように対応するのかまで具体的に確認できたことも安心材料でした。
大学院入試では社会人や外国人留学生の情報も取り扱います。
だからこそ、利便性だけではなく、志願者情報を安全に守れることが大前提だと考えています。
その意味でも、Post@netは安心して利用できるシステムだと感じています。
- 導入時に大変だったことを教えてください。
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一番大変だったのは、本学の大学院入試に合わせて、設定や業務フローを一から整理したことです。
大学院入試には事前資格審査があります。すべての志願者が最初から通常の出願へ進むわけではなく、事前に資格審査を受け、その審査を通過してから正式に出願する方もいます。
また、Webエントリーだけで出願が完了するわけではありません。
卒業証明書や成績証明書など、出身大学が発行した原本を提出していただく必要があります。
そのため、「Webで登録すれば出願完了」と誤解されないように、募集要項や案内文、業務フロー、マニュアルをすべて見直す必要がありました。
受験票についても、紙で作成していたものを単純に電子化すればよいわけではありません。
システム上の文字数や項目の制約を踏まえながら、何を載せるか、どのデータを差し込むかを考え直しました。
Post@netを導入したら、その日から何も考えずに運用できるというものではありません。導入は、これまでの業務を見直すスタート地点です。
より良い事務執行に向けて現在も試行錯誤していますし、今後も改善が必要だと考えています。その過程を含めて、業務をよりよくするための取り組みの1つだと捉えています。
- 導入後、特に変化を感じている業務は何ですか。
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最も大きいのは、志願者情報を職員が一件ずつ手入力する作業が減ったことです。
これまでは、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、出身大学などを、紙の出願書類から学内システムへ入力していました。
漢字の違いやアルファベットの入力には特に注意が必要で、入力後の確認にも時間がかかっていました。
その作業がなくなったことは、非常に大きな変化です。
入金確認も変わりました。以前は経理部門から情報を受け取り、学内システムへ転記していましたが、現在は入金状況をより把握しやすくなっています。
また、Webエントリーや入金の段階で志願者の動きが見えるため、試験問題の作成などを担当する関係者へ、早めに準備を依頼できます。
書類が届いてから慌てて始めるのではなく、「このくらいの人数になりそうです」と根拠を持って伝えられるようになりました。
受験票を志願者自身がダウンロードできるようになったことも大きいです。
特に海外の志願者の場合、受験票をどの住所へ送るのか確認する作業がありましたが、その作業がなくなりました。
入力、入金確認、関係者への連絡、受験票の郵送など、それぞれは別の業務に見えます。
しかし実際には、ひとつひとつがつながっています。そこが同時に変わったことで、入試全体を以前より早く、見通しを持って進められるようになりました。
- 今後の展望と、導入を検討している大学へのメッセージをお願いします。
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今後は、合否通知、志願者情報の管理、学内の合否判定に関する手続きなども含めて、大学院入試のさらなる電子化を進めたいと考えています。
出願だけを電子化して終わるのではなく、その後の合否通知や入学手続き、奨学金申請、大学院におけるさまざまな申請まで、可能なものを一つずつ見直していきたいと考えています。
ただし、電子化すること自体が目的ではありません。
紙で行っていた作業をそのまま画面上で再現しても、仕事の本質は変わりません。
デジタル技術を使うのであれば、データをどうつなぐのか、誰がいつ情報を把握するのか、これまで必要だった確認や転記をなくせないかというところまで考える必要があります。
システムは魔法ではありません。システムを導入しても、新しい課題は出てきます。
設定や運用を見直し、現場で議論しながら業務改革し続けることが大切です。
また、大学院入試には、学部入試とは異なる悩みがあります。
社会人や外国人留学生への対応、事前資格審査、研究科ごとの制度、限られた人員など、他大学でも共通する課題は多いと思います。
一つの大学だけで答えを出すのではなく、大学同士で情報を共有し、それぞれの工夫や失敗から学べる場があれば、大学院入試全体をもっと良くできるのではないでしょうか。
私たちもまだ試行錯誤の途中です。
だからこそ、同じ課題を持つ大学の皆さんと連携しながら、日本の大学院教育を一緒に盛り上げていきたいと考えています。

